生涯の日を正しく数える――神の人モーセの祈り


(39分、はじめに歌あり)

生涯の日を正しく数える――神の人モーセの祈り
(1月8日礼拝メッセージ)

詩編90編1~17節

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◆要 旨
 代々にわたって、とは、「どの世代においても」ということ。世代は、原語では「ドオル」という。その語源は、収穫物を積み上げた丸い山なのである。
 それは同じ世代の人間が共同作業をして、一つの時代を作っていく様に似ていると考えてみる。
 神の高い視点から俯瞰すれば、いくつものドオルが見える。すなわち、人類の歴史である。
 さてモーセは、「モーセのことばは神のことば」と言われるほど不世出のリーダーであった。しかし、共同体の「一員」として共同体を代表して祈ったのが詩編90と考えられる。
 モーセは、山々や大地や「人の世」が誕生する前から神がいらっしゃることを賛美する。神がそれらを「生み出す」ことをしたのは、苦しい労働や痛みを通してだったというニュアンスを感じさせられる。そんな言葉が使って表現されている。それはモーセ自身もそのように生きた人物だからであろう。
 我々が一つの「ドオル」を作って行くことは苦悩に満ちた労働だ。しかし、そのドオル(私たちの世代)の中にも、神様は私たちの帰るところ、憩えるところとしての住まい(あるいは助け)として「いて」下さる。その「いて」下さるとは、「光よあれと仰せられると光があった」(創1:3)、「私は『ある』という者だ」(出エ3:13)という力強い「ある」(be)なのだ。
 そういう中で私たちは、自分たちが自分のドオルに取り組める時間は限られたものであることをわきまえ知らせて頂いて、神の前に賢く生きることを求めたい。

▼詩編90編を歌ったヘブライ原語の歌

90 1 תְּפִלָּה֮ לְמֹשֶׁ֪ה אִֽישׁ־הָאֱלֹ֫הִ֥ים אֲֽדֹנָ֗י מָעֹ֣ון אַ֭תָּה הָיִ֥יתָ לָּ֗נוּ בְּדֹ֣ר וָדֹֽר׃

テフィラ・レ・モシェエエ・
祈り      モーセの

イシュ・ハエーローヒム
人    the神の

アドナイ・マオン・
主は   住処(隠れ家、助け) 

アター・ハイタ・ラーヌー
あなたは いる われらのため

ベ・ドオル ワ・ドオル
世代(ドオル)の中に そして世代(ドオル)に